一里塚

日々の流れに打ち込む楔は主観性だけあればいい。

2018-01-01から1年間の記事一覧

止まない雨は誰のものなの

空には雲が立ち込めている。雨がアスファルトを叩く音がうるさいくらいに耳に入り込む。 傘を持ち大学構内を歩いている。唐突にすれ違う人々の顔に力いっぱい傘を振り降ろしている自分の姿が見えた───誰の目に?他ならぬ私の目だろう。私はそうしなければな…

サルトル『嘔吐』読書記 2

寒い夜だ。 低気圧で何もできずに布団で一日を過ごし、目が覚めたら夜であった。このままではいけないと思いシャワーを浴びて身体と頭脳を起こし、腹ごしらえをして一日を始める。何をする気にもなれないのでこんな時は本でも読もうと思い音楽を流しながら熱…

人間が具体的で吐きそうだ

人間が具体的で吐きそうだ。 修士二年にもなって授業の単位数が足りていないという非常にまずい状況のせいで、本日は気乗りのしない授業に出席した。気乗りのしない、と言うのは当然で、私は生物系の専攻なのであるが一般的な生物学というのは余りに具体的で…

サルトル『嘔吐』読書記 1

前回の記事から二月も経ってしまった。いやはや、筆不精と言うのもいい加減にしなくてはならない、『嘔吐』について書かねばならぬこと、否、私が書くであろうことが多すぎる、一々全てを引用していかなければならないのではないかというほどである。あれこ…

サルトル『嘔吐』読書記 0

友人から「サルトルの『嘔吐』を読め。」と言われ、本をプレゼントしてもらった。前々から読みたい本であったので読み進めていたのであるが、これが中々に読み進められない。元々遅読であるのに加え、読んでいると次々に考えが浮かび、それらを一々片付けて…

ありきたりなオタクの、ありきたりな信仰告白

今日、一人の声優が活動休止を発表した。相坂優歌さんという方である。 思えば、私の人生は常に音楽によって支えられてきた。高校生の時、大した挫折経験もない思春期の青年には珍しくもないありふれた話であるが、身近な小さい出来事に対して、まるでそれが…

人生の物語化 原体験

今までの人生の中で、自らの「生」を強く実感したことが三度ある。その三度すべて、自らの「死」がまざまざと立ち昇った瞬間と一致する。 そのうちの二度は、端的に言えば「間一髪で死を免れた」という体験である。一度目は高校一年生の冬(七年半ほど前)、…

白煙を燻らせ

私の過去のブログ記事を読んでいる人ならば知っていることであろうが、残念ながら私には文才というものが皆目無いようである。私は創作を好むが、私の好む創作のように文章一つで人を唸らせる、そういったものは私には到底不可能のように思える(これは非常…

怒りに任せて筆を執り

最近友人から「お前のように見た目からして私は異常であるというアピールをしていきたい。」なる言葉を貰うことがある。私個人としてはそこまで異常な恰好をしているつもりはない。無骨で巨大なヘッドフォンを頭に付け、首に黒いチョーカーを巻き、首からシ…

近況報告、からの抽象化

ここ一か月ほど、ブログを更新する間もなくずっと書類仕事をしていた。たかが一組の書類であるが、これが中々に重たいものであり、すらすらと筆の滑るままに著せばよいブログとは違ってずっと筆が止まったまま唸っているという時間が長い。 この書類を書いて…

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「人はなんのために生きるのだろう?」 安っぽい J-POP の歌い出しや、怪しい宗教勧誘の一言目のような一文目でブログを書き始めてしまったが、しかしこれは矢張り生きているに連れずっと自分の世界の中にふよふよと漂う物だと私は思っている。 「なんのため…

春の吐息が香る中

「春風の香りだ」 今日私は外に出て真っ先にそう感じた。頭で何を考えるよりも早く、春の香りが鼻孔を擽るのを感じた。 私にとって、真っ先に季節を感じさせるのは目でも耳でも肌でもなく、鼻である。それも、金木犀の香りや沈丁花の香り、というわけではな…

創作の 揺蕩う世界に 身を任せ

親しい友人にはよく話しているのだが、私は「自分はオタクであるということを周囲にオープンにすること」、また「所謂"オタク"を受け入れている世界の描写」(現実の世界では決してオタクという存在は受け入れられていないと私は信じているため、ここでいう…

睡眠について

私は睡眠が嫌いだ。 モリモリと進捗を産んだ日などに、「幸せな眠りにつく」などの表現をよく目にする。私にはこれがわからない。私が睡眠につくときといえば、決まってあらゆる空想・妄想・強迫から逃げ出すかのように眠りにつくのである。 そもそも「睡眠…